【COLUMN】熱量と口座残高

好きな音楽はずっと作り続けてもらいたい。ただ思っているだけでは本人にお金は入らない。
熱量と残高

 

2019年12月、私は来年の予算を立てていた。食費や交際費などを一切考慮しない、ライブとライブにまつわる出費を考えるための「推し事予算」というものだ。私は消耗品以外に対する金銭感覚がバグを起こしているので、このままではバイト代だけで賄いきれなくなる。戒めという意味でも、1度予算を立てて、収支を付けて可視化してみようと思った。当時考えられたライブやグッズ、遠征費などを足して上半期の概算を立てると、かなりの額になった。就職活動もあるけどバイトもしっかり入れないとな〜〜なんて思っていた。

 

しかし蓋を開けてみれば、私は丸4ヶ月以上ライブに行っていない。無論このコロナウイルスの影響だ。2月以降行く予定にしていたライブは、続々と払戻しが行われていった。前述の通り私は金銭感覚がバグを起こしているので収入のように思えてしまっていたが、今考えると払ったものが戻って来ただけである。

 

ライブが中止、延期が発表され始めた頃、払戻しするしないの議論があったように思う。結果として、払戻ししなかった分がアーティストの懐に戻るわけではないということが分かり、「じゃあ利益率の高いグッズを買っていこう!」という流れがあった。あの頃はみんなこちらが「買い支えている」側だと思っていた。私にもその感覚はあり、払戻し金が来ることを見越していつも買わないグッズをオンラインで注文していた。

 

しかしそれは、あくまでも以前と同じ収入がある人が出来ることだ。バイト先は休業中なので、5月の収入はほぼゼロ。今は3月に働いた分のお金で生活している。思えば推し事予算は、収入があること前提で作った予算だった。前提が崩れた今、予算は何の意味もなさない。ライブの払戻し金は口座にまとめているが、正直いつまで手を出さずに入れるかわからない。

 

好きな音楽はずっと作り続けてもらいたい。ただ思っているだけでは本人にお金は入らない。何か行動することでアーティスト本人の活動源が生まれる。それが現実だ。
しかし、実際に目の前でパフォーマンスを行ってくれるようになった時に、私自身がその場へ行ける余裕があるかどうか。その時にちゃんと足を運べるように、できるだけ蓄えておきたいのもまた事実である。この気持ちのせめぎ合いを整理するには、新しく予算を組んだ方が良いのかもしれない。

 

written by : NANAKO
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